【涙は目の保護!】愛犬の涙やけはドッグフードや食事で治せるの!?
愛犬の涙やけで悩み苦しんでいる飼い主は少なくありません。
私もせっかくトリミングした愛犬が夕方にはベチャベチャに顔まわりが濡れていて、それがプードルだとふっくらした愛らしさが損ない哀しく感じたことは何度もあります。
10年以上前までは、新しい獣医さんに会うと「涙やけ」を相談して「鼻涙管洗浄」や「目ぶち周りの古い油の除去」を施術していただきました。
専門医との出会い
数年前に眼科の専門医の斉藤獣医師とお話をする機会があり自分の愚かさに気づき過去を反省しました。
歯科で思いましたが、眼科もまた、一般診療動物病院と専門医では大きく異なる応対だと気付かされました。
歯科専門獣医師が、日々の歯磨きを推奨するように、眼科専門獣医師による愛犬への日常ケアも同じくらい普及することを願っています。
きっと、そのテクニクの広がりが、最もリーズナブルに、最も飼い主の希望を叶え、何よりも最も愛犬の健康を維持できる秘策につながると思います。
涙やけについて 三島の考え
一般的な情報や対策の間違え
一般に流布している情報に大きな誤りがあると思っています。
どこかで詳しく書きたいと思っていますが、ここでは簡単に私の私見を述べます。
涙やけが止まることをドッグフードに期待することを私は間違っていると思います。
一部では、食事の内容物で涙の量が増えることは考えられなくもありません。
しかし、間違っています。
涙を考える
涙は、目の角膜を保護する液状のバリア、保護膜です。
涙やけの誤解
多くの場合、涙やけの意味することは「涙の過剰分泌」ではありません。
- 目ぶちの周りのオイル系の分泌物を排出する穴が塞がっている。
- 逆さまつげなどの物理的な眼球への刺激
- 鼻涙管という涙が鼻へと抜けていく「排水溝」のような下瞼にある箇所が塞がっていて、排水されずに外に溢れ出ている。
- これが最大の理由だが、目頭の方に張り付く顔の筋肉が目の下を通る際に、その犬種や頭蓋骨の形状により「筋肉の撓みが溝を作る」ことにより、その溝に沿って涙は眼球の外に運ばれてしまっています。
涙やけを市販の目薬や摂取する食事、もしくはサプリメントで眼球を保護する「涙の分泌量を抑える」ことが可能になるかもしれません。
それは危険です!
眼球を保護するための涙の分泌量が抑えられ、眼球から外へ溢れ出す涙の経路は変わらなければ「眼球の乾燥」だけが進行します。
この場合は、眼球に無数の傷が生じやすくなり、早期に白内障へと進行するケースが多く見受けられます。
上記の内容は、小動物の眼科ではレジェンドのお一人であるトライアングル動物病院の斉藤先生から私がお話をお聞きした際にメモした内容です。
まとめー原因の究明こそ重要!
涙やけという「結果」のコントロールを試みる前に「原因」をしっかり理解することをお薦めします。
たしかに根本解決に手術による顔面筋肉の修正が必要な場合には、おおよそ30万円ほどの費用負担が発生します。
誰でもが易々と支払える金額ではありません。
手術に関して私が言えることは、手術は愛犬に対する「酷いこと」ではありません。
高齢犬になっても健康な目であって欲しいための対策の一つです。
手術ができない場合は、いくつかのケアを日常生活の中で愛犬に施術することで悪化を遅らせることは症状によって可能なようです。
今後の記事ではその辺りにフォーカスして書き進めたいと思います。
今回は「涙やけ」は止めれば良いということではなく、将来の目の病の1つのシグナルであると受け取っていただければ幸いです。