コロナ禍という特殊要因により愛犬も多くのストレスを感じやすくなっています。
コロナ以前から愛犬と暮らす人。コロナにより新たに愛犬と暮らしはじめた人。
色々といらっしゃると思いますが、特に愛犬が持ちやすいストレス3選を選び解説します。
そのストレスは「ふれあい不足」「孤独感(分離不安症)」「運動不足」です。
最後までお読みいただくことで予防と解決をご理解いただけます。
ふれあい不足
スーツが基本だった時代には「うちの子って曜日がわかるんです。」なんてお話をよくお聞きしていました。
理由は、休日にお父さんが革靴を履かず、運動靴を履いて愛犬のお散歩に出掛けていたことから靴音を聞いて期待度が左右されていました。
コロナ禍以前から愛犬と暮らす人
一緒に居られる時は、必ずかまってくれていたはずなのにテレビ会議だ在宅ワークだと「居るのにかまってくれない」肩透かし状態が続きストレスになっています。
対応
スマホにタイマーをセットするなどして仕事に向かう時間、休憩に入る時間の際に決まった音が鳴るようにします。
あなた自身の切り替えにも役立ちますが、愛犬はこの音を聞くと「あ!遊んでくれるかな?」「あ!もう相手をしてもらえないよ。」と切り替えがつきやすくなります。
まさに「パブロフの犬」の考え方「音に対する条件付け」です。
コロナ禍以降に愛犬と暮らす人
パパやママと出会って以来、ずっと一緒に過ごしていました。
それが、ご家族が週に1回であっても会社に出勤するようになり孤独感を感じるようになります。
不安定な心理は、尻尾を追いかけて噛もうとしてグルグルと回ったり、前肢の周辺をかじって出血させたりするかもしれません。
これらの行動は「常同行動」と言って「特に意味はない行動」です。
行動に意味はないのですが、何かしていないと落ち着かない愛犬の心理状態というわけです。
人の「爪噛み行動」や「貧乏ゆすり」も同じことです。
対応
「誰も居ない」「やることがない」ことが孤独感を強めます。
そこで「宿題」「課題」を用意すると良いでしょう。
ボールの形をしたおもちゃで、中におやつをしまっておける商品などが適していると思います。
注意点は、おやつの出方を調整しないとおそらくは一気にこぼれ出てきます。
私の経験では、調整しないで適切な役割を果たす「おもちゃ」はありません。
目安としては8〜10回転がったらおやつが出てくるかもしれない・・・程度が良いです。
日頃から在宅ワーク時間中は「宿題」を与えるなどしておくと良いでしょう。
このように事前利用をなさった方は、あなたが離れても気づかないくらいの魅力的なおやつを本番で採用することがプロの秘技となります。
参考までにこんな感じのおもちゃです。
各ショッピングサイトで「犬」「留守番」「おもちゃ」などのキーワードで検索されると良いでしょう。
*宿題/課題とは、あなたが想定し、導いた「悪戯行動」を意味しています。
理由:日常の愛犬の行動、特に「問題行動」の定義付けにも採用できる考え方です。
想定外の愛犬の行動、特に破壊行動に対するあなたの怒り、悲しみ、困惑というネガティブ心理が「問題行動」と呼ばせているのです。
孤独感(分離不安症)
愛犬との暮らしが、コロナ禍以前、コロナ禍以降のどちらのスタートのご家族にも当てはまります。
コロナ禍によりかなり多くの時間を飼い主と過ごしてきた愛犬たちです。
部分的とはいえ、一緒に居た家族が出勤とはいえ、留守という新たな現実は戸惑いと不安しか生まれない心理状態です。
まれにガミガミ言う飼い主が居なくなったとのびの〜〜〜び過ごし過ぎて物を壊すなどして問題起こします。
飼い主は心配になって獣医師などに相談し「分離不安症」とか言われ「寂しいんですよ。」と飼い主として辛く悲しい思いをさせられるシュチュエーションを見ることがあります。
訓練士としては、とても滑稽な心理分析で笑えますが、結構よくある間違った解釈です。
「留守にするとゴミ箱を荒らすんです。一緒にいるとそんなことしないんですけど。」と言うケースはほぼ間違って解釈されています。
参考までに解説すると、この問題は直接対処法の弊害です。詳しくは、この記事の本題がブレるので別の機会に致します。
対応
問題が起きてからの対応ではありません。
日常、愛犬と一緒に暮らす中でどのようにあなたが振る舞っているかが解決策です。
愛犬があなたにコミュニケーションを求めたときに、もしも忙しいのであればしっかりと「今はダメだよ!」と拒むことです。
この行為によって、愛犬がどのくらいの時間で「相手にしてもらえないんだなぁ・・・。」と理解して自分の主張を取り下げるのかです。
取り下げるまでにかかる時間が長ければ要注意です。
逆に、あなたが「今は無理!」と突き放した途端に「じゃ、ベッドで寝ますか・・・。」と方向転換するようならば愛犬はあなたをコントロールしようとは思っていません。
あなたの留守により騒いだり吠えたとしても、事前に数回留守番の練習をすれば穏やかに留守を過ごせる愛犬に戻ることでしょう。
運動不足
愛犬との暮らしが、コロナ禍以前、コロナ禍以降のどちらのスタートのご家族にも当てはまります。
愛犬に与える運動の量ってじつはメチャクチャ難しいのです。
運動不足で吠えるワンちゃんであれば、運動すれば吠えやめます。
しかし、漠然と繰り返すと愛犬に「体力」が付き、運動はしているのに不足が生じ、再び吠えるようになるものです。
そして、愛犬の運動量を増やす、すると愛犬は体力が増して少しすると再び吠える・・・、どこかで飼い主がついていけなくなります。
コロナ禍において愛犬と共に過ごす時間が長かったことから多くの愛犬家が愛犬とゆったりした時間を平日も過ごせたのではないでしょうか?
幸せでしたね。
しかし、出勤する日も増えてきて、愛犬には留守番させる機会も増えてきたとします。
すると今までのようにはお散歩に行けないので、必然的に運動量は落ちてきます。
と、じつはこの問題に直面するのは愛犬家の内の多くて20%程度だと思います。
理由は、人のお散歩程度の歩く速度では愛犬の運動になりません。
犬の歩く速度は、基本的に人のそれよりも速いです。
つまり日常のお散歩では、愛犬は歩く速さをセーブ(控え)でお付き合いしてくれているのです。
無駄な行為とは言っておりませんのでご安心下さい。
屋外で時間を過ごせば、お友達に出会ったり、多くの外界の刺激により心が疲労します。
そうなのです、多くの愛犬家が感じる「愛犬のお散歩満足度」とは「愛犬の心の疲労度」なのです。
対応
公園に行った際に、リードを固定して愛犬から離れます。
見える範囲で隠れ、数分したら愛犬のもとに戻ってあげます。
意図はなんでしょう?
主人が離れてしなった。ついて行きたいのにいけない。どうしよう!?
困って頭の中ではものすごく早く思考が回っています。
数分後に主人が帰ってきました。
愛犬はホッとします。
この一連の流れの愛犬の心の動きを心電図ならば大きな上下の波を描くことでしょう。
その「上下の波の動き」が心を疲弊させています。
お二人のお散歩ならば、パートナーが隠れたら「おいで!」と呼んでください。声を合図として、声を聞いたらリードを持つ手を離します。愛犬は頑張って主人を探すことでしょう。
ドッキドキしながら。
*愛犬を離す場所は、その行為が許されている場所であることが前提です。
また、お部屋でおやつを隠すゲームなどを催しても良いでしょう。
愛犬がワクワク、ドキドキするコミュニケーションを行うこと。
ポイント
そして、終わった際には「お終い!」と節度を持って終了できることです。
この際にズルズルと愛犬に対して説得する時間が必要では、愛犬は要求を諦める習慣がないと言うことです。
運動不足も含めて吠えたり騒いだりして要求を求める行動を続けるでしょう。