犬の専門家としてドッグフードの「悪評」を解説
ネットで人気の「プレミアム・ドッグフード モグワン」を例にお話ししますね。
企業発表では、2020年で御愛好者数が80万人という事です。
じつは、ある一定数を超えると、どうしても「悪評」も目につくようになるのです。
いわゆる「ネットの評判」もしくは「ネットの悪評」というものですね。
なぜ?
私は大手のドッグフードも悪いとは思っていません。
むしろロイヤルカナンなどは長期の愛用者です。
愛犬は長生きもしているし、チャンピオン犬も作れた実績と経験を持っているからです。
でも、きっと「悪評」の数は、ロイヤルカナンのどの銘柄もモグワンよりはずっと多い投稿数だと思います。
悪い評判にはトリックがあります。
利用者が100万人のドッグフードAがあるとします。
もう1つ、1000人のドッグフードBがあるとします。
「このドッグフードは合わない」「このドッグフードを食べさせたら下痢をした」と言ったネガティブな意見が1%の利用者から起きたとします。
ドッグフードAは、1万人の苦情となります。
ドッグフードBは、10人の苦情となります。
分母が大きくなれば必然的に被害数も大きくなり、投稿の数も目につきやすくなるでしょう。
「悪評」の本質は、誰も知らない「対象」の悪口を言っても、誰も興味を持たないでしょう。
名が知られてくるとアンチは出てくる例としては、YouTubeでは「アンチが出現して初めて一人前。アンチはチャンネル登録1万人の切符」みたいな言われ方をしています。
全てに好かれることはできない。
アンチがいないのは、特色や他との差別化がないからという考え方が基本にあります。
また、「良い評判」によって引き寄せられた顧客は、事前の期待値が高いものです。
その期待値を持ってドッグフードを注文し、与えてみた結果が「食べない」「残す」「下痢した」となると、試したドッグフードを強く許せない気持ちになるでしょう。
ネットの矛盾との葛藤でもあります。
ネットの情報の信憑性を疑っていない人は今いないと思います。
しかし、その信じていないネットの情報で購入を決めている自分もいます。
やるせない気持ちの時、心の行き場を探します。
小動物の心臓手術の成功率を知っていますか?
昔から有名だった中部地区の名医の動物病院が60%です。当時は驚異的と言われていました。
新しい風を起こした病院が、ある時関東地区に登場します。その成功率は驚異的な85%でした。
私も1頭、関東の病院で手術を受けました。
その時に担当の先生もおっしゃっていましたが「成功率といっても、失敗した飼い主から見れば致死率100%の手術なんです。」と。
どんなに工夫したドッグフードでも「下痢をした」「吐いた」「太った」と想像していた結果が得られなかった飼い主からすれば、その時に利用したドッグフードは良いドッグフードにはなれないのです。
もしも、自分の愛犬が心臓手術で死亡の15%に入ったことで訴訟を起こして、その病院を閉院に追い込んだとします。
すると、未来に助かる犬の命が助からなくなります。
ビッタリ!とすごく相性の良いドッグフードとの出会いも、食べさせてみないとわからない、それも事実なんです。
極論ですが「ドッグフードは使ってみて、良さそうなら継続し、目立った問題が生じなければ合格」です。
- まずは少量から始めて、1週間様子を見るくらいに行動する
- 嘔吐や下痢が見られたら中止
- 新しいドッグフードを1週間避け(残し)続けたら中止
- 少しずつ食べるようになり、便の調子も良いならさらに3週間継続して1ヶ月様子を見る
獣医師の選択もドッグフードの選択も飼い主の「自己責任」です。
背負える「責任」は少しずつにして、慌てないことです。
現実的なお話ですが、私も「モグワン」を愛犬に良かれと購入しました。
しかし、1頭は絶対に食べようとしません。
私の心ですか?
「やっぱりそうか〜。」です。
愛犬が、食べて、元気になって、毛艶も良くて、体調が安定するドッグフードは、そう出会いません。
しかし、年齢や体調の変化により「変えざるおえない」理由が出てくる時があります。
飼い主の辛いところですよね。。。